after-20years
ガンダム00の捏造2次創作ブログ。
ネタが出てきたので形にするため走り書きメモブログになります。


さてはて、2次創作なんてはじめてですし
小説なんて書いた事ないTOMが挑戦しながら
それでも想像で膨らませた00熱をなんとかせねば!と
書き連ねて行くブログです。

以下の項目が許せる方のみつたない文章ですがお読みいただけると嬉しく思います。

・本編(セカンドシーズン)から20年後の話です。
・各キャラクターの子供が出てきます。
・各キャラクターも20年歳月が経ってるので全員それなりの年をとっています。(爆)
・刹那が故人です。
・主人公は刹那の 娘 です。


週末夜にチャットを開催します。
おおよそ時間は23:00頃からになります。
こちらからどうぞ!!


20-years-after 番外編 宇宙への想い。-02(END) 忍者ブログ

20-years-after

「 番外編 宇宙への想い。-02(END) 」

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2024.05.19 Sunday 09:10

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番外編 宇宙への想い。-02(END)

2009.06.29 Monday 03:36

西暦2296年、1月。
彼は訓練用シミュレーターの中にいた。

中途入学の士官学生は、他の生徒との遅れを取り戻すべく
夜遅くまで自主トレーニングを繰り返していた。
___________________________________

モニター画面が赤く染まる。
轟音とともに猛烈な振動がやってくる。
彼の叫びが響く。

Landing failure(着地失敗)

「…もうそろそろ終わりにしないか?
俺は腹が減った!飯喰いにいくぞ!」

「もう一回させて下さい!」

そう言われた教官は、溜息とともに
シミュレーターの安全装置を解除し
リセットボタンを押した。

「そうやってあまり根を詰めるな。
明日の訓練に響くぞ。」

「確実に着地出来るまでは帰れません。
…やらせて下さい。」

教官はこの日何度目かの溜息をついていた。
そこに、長身の人影がやってきた。

「教官。ここにおいででしたか。来客だそうです。」

「…君は…確か…」

「大学から研修で来てます。
こちらの装置の使用許可を頂いたので。
来週まで、ここに。」

「確か…あの方の甥っ子さんだったね。」

「はい。」

「時間はあるか?」

「ええ…装置の運転終了時間までの間。
…2、3時間程なら。」

「ちょうどいい。あのシミュレーターから警告音が鳴ったら
中の頑固者が着陸失敗した証拠だから、そうなったら
この安全装置を解除して、リセットボタンを押してやってくれ。」

「はあ…。判りました…」

「暫くの間だけ、頼むぞ。」

突然の指示にあっけにとられながらもその学生は
今自分が呼び出した教官と交代するはめになった。

モニターを眺めていると、モニター上にシミュレーター内の
操作をトレースする様にMSが動いている。
学生である青年からみたところでも動きが心許ない。

ー大丈夫かー?

そう、青年が思った途端に
モニター上のMSが大きく転倒した。
モニター画面が赤く染まり、
大きく文字が映し出される。

Landing failure(着地失敗)

「凄いな…胴体着陸だ。」

苦笑しながら青年は指示された通りに安全装置を解除して
リセットボタンを押した。

気分を替えてやった方がいいだろうか。
そう考えた青年はモニターにあるマイクに向かって声をかけてみた。

「あー。これ、使えてるのかな?
…聞こえてるかい?よかったら休憩しないか?」

その声に反応するかの様にシミュレーターのハッチが開いた。
ハッチを開けて出てきたのは、まだ10代の少年だった。
少年はヘルメットを脱いだ。
柔らかな癖のある金髪。
グリーンの瞳が真っ直ぐに自分を射る様に見据える。

「…アンタは…?」

「教官に頼まれてね。彼は今来客の応対をしている。
呼び出しにきたら、僕が捕まった。
…よかったら、一緒に食べにいかないか?
食欲がないなら、何か飲み物でもいい。
…気分転換すれば上手くいく可能性も上がる。…どうだい?」

「…行きます。」

「よかった。おなか減ってるんだけど、
今日の午後に到着したところだから
食堂の場所を失念してね。
よかったら案内してくれないか?」

「判りました。」

「宜しく。」

そう言うと、青年は少年に右手を差し伸べた。
少年は少し躊躇いながらもその手を握った。

_____________________________________

食堂で向かい合わせに座った2人は
他愛もない会話を交わしていた。

その時、

「君は、ここに入ってどの位経つんだい?」

青年は少年に聞いてみた。

「…先月からです。編入試験に合格しました。
他の人との差が開いているので
それを埋めたくて…
教官にお願いしてシミュレーターを使わせてもらってるんです。」

「…かなりの努力家だね。君ならきっと…
これから開発するMSやMAを使いこなしてくれそうだ。」

「…開発… 研究所関連の方ですか?」

「ああ、正確には大学生になるから…将来は…って所かな?」

青年は少年の質問に微笑みながら答えた。

「俺が…MSに乗る時には、
アンタが開発したMSに乗れるかも知れないんですね?」

少し笑みを見せた少年に、
青年は少し目を見開いた後、笑みを浮かべながら少年に言った。

「そうだね…そうなる様に努力しよう。
それまでに、いいパイロットになっておいてくれよ。」

「…かならず。」

ふと、青年は少年に質問を投げかけた。

「そういや、君の名前を聞いてなかったね。
未来のエースパイロットの名前を聞かせてくれないか?

僕の名前はビリー・カタギリ。
将来、誰にも負けないMSを開発したいと思っているんだ。」

「グラハム…グラハム・エーカー。」

少年は軽い笑みを見せながら自分の名前を名乗った。




_____________________________________



西暦 2320年 12月
グラハム・エーカーはカリフォルニア基地から
少し離れた自宅へと急いでいた。

____________________________________

玄関のチャイムを鳴らすや否や
彼はドアを開けて宅内へと入り、
妻に声をかける。

「ただいま。」

「お帰り。今日は早かったのね。
…最近随分帰りが早くなったんじゃない?」

「周りが『早く帰ってやれ』とうるさくてな。
いつも追い出されるようだ。」

苦笑しながら、妻の頬に挨拶をし、
そのまま視線を落とす。

「ただいま。」

彼がもう一つ挨拶をしたのは妻の大きく突き出た腹部に向かってだった。
そこで妻はそうそう。と話題を切り出した。

「今日ね、検診があったの。」

「お。どうだった?」

「うん。すこぶる順調。
…でね…知りたい?」

「何がだ?もったいぶらずに教えてくれ。

  …ハナ!」

グラハムの質問に悪戯を仕掛けるような楽しそうな
そんな表情をしながらじらす妻に
グラハムは答えを急かした。

「男の子よ。きっとあなたに似るわ。」

ふふ。と笑顔を見せる妻の腹に
グラハムは満面の笑みで声をかけた。

「よし!お前が生まれて…大きくなったら
私のフラッグに乗せてやる!
元気に生まれてこい。

…楽しみに待ってる。」

その会話が終わるタイミングで
ハナ・エーカーは振り返り、台所に視線をやった。

「あ、オーブンが呼んでる。ご飯にしましょう。」

「ああ、私も腹が減った。着替えてくる。」

そう、着替えを取りに部屋へ向かおうとしたグラハムの耳に
妻、ハナの歌う歌声が聞こえた。

  夕べの夢 甘く偲んで
  起床のベルで 消され にじんで
  
昔、聞いた事のあるその歌に
グラハムは驚いて振り返る。

  青いシャツを 誇らしく着て
  里に 恋を 置き去る

グラハムの脳裏に
昔のあの歌を聴いた頃の記憶が甦る。

____________________________________


 西暦2298年 8月

 グラハムは士官学校に入ってから初めての夏期休暇を貰っていた。
 その時、世話になっていた孤児院に挨拶に行った。
 迎えてくれたのは、職員の中でも特に世話になっていた
 彼女、エルマだった。

 「ミズ・エルマ。お久しぶりです。」

 「まぁ!ちょっと見ない間に随分大人びたわね。
 士官学校、大変じゃない?」

 「大変ですが…それでも自分が憧れた世界に近づいているので
 …頑張ってます。」

 「あなたならきっとすばらしいパイロットになるかしらね。
 でも…あまり活躍しすぎると寂しくもあるわ。」

 少し困ったような笑みを浮かべるエルマに
 グラハムも同じような笑顔を向けた。

 そこで、グラハムはエルマに気になっていた事を訪ねた。

 「ミズ・エルマ…あの子は…?」

 「ああ、あの時の子ね。
 あの子…養子縁組が決まって、この春養父母の元へ旅立ったわ。
 元気に暮らしてるわ。養父母から定期的に便りが来るの。
 あの子も笑顔でフォトに映ってたわ。」

 その知らせを聞いて、グラハムはほっとした笑顔になる。

 「あの歌…もう一度聞きたかったんですけどね。」

 微笑みながらエルマに言うと、
 エルマは「私は覚えられなかったわ。」と笑った。

_____________________________________


「おい…ハナ…その歌…?」

「ん?…ああ…私の生みの親が歌ってたの。
早くに亡くなって…養父母のところで育ったんだけど
この歌は覚えてたから。」

そう言いながら台所に立ち、自分に背中を向ける妻を見つめた。

「…嫌だったかしら?」

振り返りながら訪ねる妻に
グラハムは微笑んで否定した。

「嫌じゃない。もっと聞かせてくれないか?」

その言葉にハナはふわりと微笑むと、
続きを歌い始めた。

  未来にいつか なりたいSolder
  絶えず その夢 生きるのか

  声を出して 走るそよ風
  止める者も 叶いはしない
  だけど ずっと 忘れずにいて
  活躍する日は 来なくてもいい

  高く 囲む 金網隔て
  愛を 送り 歌うよ

Have a merry Christmas
May your voice be with us

Du bist wie eine Brise
Aus enien freundlichen Ozean……………


_____________________________________

西暦2321年2月24日
グラハム・エーカー、ハナ・エーカーの間に第1子となる男の子が誕生した。

名前をティム・エーカーと言う。




_____________________________________





01で名前を全く出さなかったのですが…これで誰か判りましたね?
ティムの話を書いたので、次はお父さんサイドを書いてみよう!と
思いついたので書いてみました。(笑)

いかがでしょう…?(^^;;;


ちなみに、今回の話の中で使わせていただいた歌は
 麗美 の『走るそよ風たちへ』です。
この那覇市が12月なのも、歌がクリスマスソングだったからと言う…(爆)

ひとまず、歌詞を書いておきますね。
かなり古い曲なのですが、
反戦の意味合いの籠った、いい歌だと思います。
愛しい人が戦いに赴く、それは止められないけれど
せめてもの無事を祈る。
そんな歌です。


山を越えた 朝もやの道
広く隔離された土地がある
若い君と多くの生徒
戦車とともに目覚める

夕べの夢 甘く偲んで
起床のベルで 消され滲んで
今日も意志を守り続ける
君はいつでも笑い飛ばせる

青いシャツを誇らしく着て
里に 恋を置き去る

細い手首 鍛えたせいか
歩く仕草までが頼もしい
未来にいつか なりたいSoldier
絶えずその夢生きるのか

声を出して 走るそよ風
止める者も 敵いはしない
だけど ずっと 忘れずにいて
活躍する日は 来なくてもいい

高く 囲む 金網隔て
愛を送り歌うよ

Have a merry Christmas
May your voice be with us

Du bist wie eine Brise
Aus einem freundlchen Ozean

Have a merry Christmas
May your joy be with us

Blasend fur die Nation
Warom Soldat sein wollen

Have a merry Cheistmas
Heaven looks upon us

Voce ecomo a briza
De um mar amigo

Have a merry Christmas
May your voice be with us

Soprando pela nacao
Poeque ser um soldado

Have a merry Christmas
May your joy be with us

Du bist wie eine Brise
Aus einem freundlichen Ozean…

  
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COMMENT
閉鎖のお知らせと感想
by マーガレット 2009.07.06 Mon 07:20 EDIT

 おはようございます。突然で本当に申し訳ないのですが
SSブログ「アシタニムカッテ」を10日前後で閉鎖する事になりましたので
お知らせします。面倒をお掛けしますがリンクをはずして頂くようお願い致します。
閉鎖の理由は書いても自分の好きな文章が全く書けなくなってしまったという事でしょうか?
書けば書くほど辛くなっていく。残念ですがこれではもう続けられません。

ここからは感想です。お話の中に歌が盛り込まれるって素敵ですよね。
TOM様のグラハム&ティム関連の話は優しさに溢れててどれもステキだなあ。
そしてイシスの話は続きが楽しみで仕方ないです。次にどんな人と邂逅するのか?
どんな展開が待ち受けているのか?
体調不良の為、少しネットから離れますが戻ってきたらまたその時は
また拝見させて頂きますね。これからも素敵な物語に期待しています。
それでは。

Re:閉鎖のお知らせと感想
>マーガレットさん
こんにちは。ブログ閉鎖との事で、ちょっと残念な気もしますが
やはりよく考えての事だと思います。
自分の好きな文章をこれからも楽しんで下さいね。
ブログ運営、おつかれさまでした(^^)

本編の感想も有り難うございます!
こうやってコメントいただけるのが何よりも励みになります!ヽ(>▽<)ノ
体調がすぐれないようですが、夏は体力が落ちやすいですので
くれぐれもご自愛くださいね。
戻ってこられた時までにあっと言わせる話が書けていれるよう
更新頑張りますね(^^)q””
From TOM 2009.07.06 Mon 18:36
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