緊急呼び出しのコールは
格納庫と同様、各部屋壁面に設置してある
壁面モニターを通して
トレーニングルームにいる彼らの元へと確実に届いていた。
「『アレルヤ・ハプティズム』『ロックオン・ストラトス』
緊急事態だ!」
緊張感のあるティエリアの声色が
何かが起こった事を明確に表している。
「どうした?」
「なにかあったのかい?」
2人が同時にモニターに返答をする。
モニターにパイロットスーツのヘルメット越しにさえ
慌てているティエリアが映し出される。
「ケルディムとアリオスを出してくれ!
ダブルオーが暴れている!!」
「「はーーーー!?」」
驚きのあまり2人の叫びがシンクロする。
「ティエリア!
お前セラヴィーとセラフィム出しゃあいいだろ!?
って、なんでダブルオーが暴れるんだ!?」
ロックオンがモニターに食って掛かる。
隣のアレルヤが あ、と声を出す前に
モニターからティエリアの声が上がった。
「セラヴィーは装甲を外しきって
太陽炉を取り除く作業をしている。
セラフィムもパーツが外れている。
どちらも動かせないんだ!
ケルディムとアリオスで押さえてくれ!!頼む!
このままだと宇宙空間へ飛び出しかねない!」
「判った。今から向かう。
ティエリアはミレイナに出撃準備を要請してて。」
アレルヤがモニターに向かって伝える。
「すまない。宜しく頼む。」
通信を切ったティエリアは再び回線をイシスへと繋ぐ。
「イシス!どんどん外に向かってるぞ!機体を中へ戻せ!!
ダブルオーは丸腰なんだ!外へ出たら何が起こるか判らんぞ!」
「判ってる!腕が届かないんだ!!足も!」
応える声は父親と同じもの。
そこで流石にティエリアも気付いた。
イシスの体格はある程度成長しているからというものの
流石に父親の体格には届かない。
体格的に一番近いのが自分だった事を思い出した。
格納庫の片隅にあるヒューマン用ジェットを身につけながら
イシスへ呼びかける。
「イシス!ハッチあけれるか!?
僕がそっちへ向かう。入れてくれ!」
「えええっ!?」
イシスはそう叫びながら
届かない手足で00を制御しようと手足をのばすのが精一杯だった。
ティエリアが腰につけたジェットを制御しながら
勢いよく00のコクピットへ向かう。
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