after-20years
ガンダム00の捏造2次創作ブログ。
ネタが出てきたので形にするため走り書きメモブログになります。


さてはて、2次創作なんてはじめてですし
小説なんて書いた事ないTOMが挑戦しながら
それでも想像で膨らませた00熱をなんとかせねば!と
書き連ねて行くブログです。

以下の項目が許せる方のみつたない文章ですがお読みいただけると嬉しく思います。

・本編(セカンドシーズン)から20年後の話です。
・各キャラクターの子供が出てきます。
・各キャラクターも20年歳月が経ってるので全員それなりの年をとっています。(爆)
・刹那が故人です。
・主人公は刹那の 娘 です。


週末夜にチャットを開催します。
おおよそ時間は23:00頃からになります。
こちらからどうぞ!!


20-years-after 番外編-宇宙への想い。(Tim)-05 (END) 忍者ブログ

20-years-after

「 番外編-宇宙への想い。(Tim)-05 (END) 」

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2024.05.19 Sunday 11:04

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番外編-宇宙への想い。(Tim)-05 (END)

2009.06.23 Tuesday 02:44

気付くと、目の前に白い天井が見える。
ティムは、自分を確認する様に右手を目の前に持っていった。

__________________________________

「…………あ…れ?……」

「気付いたか?」

ティムが声を上げる。そこで自分がベッドの上に寝かされている事に気付く。
頭をめくらせるとベッドサイドの椅子に腰掛けるグラハムが見える。

「父さん……ここは?」

「基地のメディカルルームだ。」

「一体…どうなったんだろ?」

「ティム、どこか痛むところはあるか?」

「…全身…あちこち痛いよ。もしかしなくてもスゲーぶつけた?」

グラハムが視線を落としながら声をかける。

「あちこちぶつけてるな…」

その後、顔を上げ、息子の顔を見ながら少し微笑みを見せながら
グラハムは安堵の溜息を漏らした。

「ま、大きな怪我はないから、あちこち打撲があった位で済んだのは幸いだ。」

そう言う父親の右腕には包帯が巻かれ、首から三角巾で吊るされている。

「父さん…腕…」

「ああ、全くメディカルスタッッフは大げさで困る。」

「どうなったの?」

「腕の骨にひびが入った位だ。大した事ない。」

そう言ったグラハムが先程から思いのほかいつものような元気がない事に
ティムは不思議に思っていた。
その時。

「やあ、気がついていたのかい?」

そう言いながら、ビリー・カタギリがメディカルルームへ入ってきた。

「…おじさん…」

「………カタギリ………」

顔を上げている親子の表情は明らかに状況が違っていた。
今自分の中で持ち上がった疑問を表情に浮かべた息子と
どんよりとした父親。

「とうさん…なんだかさっきから元気がないみたいだけど…
フラッグに乗ってた時とは全然…」

「そりゃあ、そうだろうねぇ。」

ティムの疑問に答えたのは今やってきたばかりのビリーだった。

「……カタギリ…アレは…?」

「ま、結論から言うと…無理だね。」

つれなくしれっとした態度で言い放つビリーに
グラハムは大きな溜息をつきながらがっくりと肩を落とした。

「あー……………私のフラッグが…」

「………え!?」

何があったのか未だよく判らない。と言う表情のティムに
ビリーが説明する様に話しだす。

「ティムがカスタムフラッグから降りたとき、凄い音がしただろう?」

「…うん。 後ろの方から凄い音と振動が…
あれから記憶がないんだけど。」

「そりゃあそうだろうね。
あの時、フラッグの右足に受けたダメージが加重に
耐えきれなくなって、あの機体がぶっ倒れたんだよ。
そこで、君は放り投げられる形になって気を失った。」

「…で、こうやってベッドに…」

「そう言う事になるね。
何にせよ、君が大した怪我がなかったのは奇跡的だと思うよ。」

ビリーはにこやかにティムに言った。

「で…とうさんは…なんでそんなに落ち込んでるの?」

「そりゃあ…身長約18m、重量60tオーバーの機体が
いきなりぶっ倒れたんだ。あの機体が無事なわけない。」

「カタギリ…アレは…もう戻せないのか?」

情けない顔を見せながらグラハムはビリーに問いただした。

「だから無理だって。20年以上も前の機体の部品なんて
今どこを探してもあるわけないんだよ。
それに、あの機体を置いていた場所が空けば
即戦力の機体をもう1機スタンバイ出来るんだ。
いくら愛着があるからと言って、
あんなオンボロ、もう置いていく必要性が
軍とこの基地に見当たらない。」

つまりは、廃棄処分だね。

そう言うと、ビリーは手にしていた紙袋から
ドーナツを取り出すと、2人に差し出した。

空腹を感じていたティムは嬉しそうに、
かつての愛機の最期を言い渡されたグラハムは沈痛な面持ちで
ドーナツにかじりついていた。

ティムは、今までに見た数少ない父の落ち込む姿に苦笑し
話題をふってやろうとしていた。

「ねぇ、とうさん。」

「ん?なんだ?」

「俺…ハイスクールへは行かない。」

ぶっ!と目の前の父親がドーナツを吹き出し、
驚愕の表情でティムを見た。

「な…!いきなりなにを!?
って…ハイスクールに行かずにどこへ行くんだ!?」

「士官学校の入学は16歳からだよね?
俺…空を飛ぶ。パイロットになるんだ。」

「ダメだ。まずハイスクールで学ぶものを学べ。」

「イヤだ!ハイスクールへ行く時間の意味が見当たらない。
とうさんだって16歳で士官学校はいってるじゃないか。」

そう言われるとグラハムはぐうの音が出なかった。

「ティムの成績なら安心して士官学校に入れるんじゃないかな?」

ビリーが横から助言する。

「カタギリ。」

責めるようなグラハムの声を無視するかの様にビリーは続ける。

「でも…ハイスクールの方が楽だったなんて根性なしな台詞を吐いたら
即、士官学校から追い出される。ティムは大丈夫かな?」

「………やってみせるさ。」

真っ直ぐに正面を見据えて決意を口にするティムに
グラハムは苦笑しながら溜息をつき息子へ話しだした。

「お前に『ティム』の名前を付けたからか…
やはり、空へと気持ちが向かっているのかな。」

「とうさん…?」

「そういや、お前に、名前の由来なんて話した事なかったな。」

「『ティム・エーカー』?」

「そうだ。ティム。元々は『テュール』から貰った。」

「テュール…」

「軍神、天空神の名前だ。
勇敢な神の名前から呼びやすい様にもじってつけた。」

「天空神…」

しみじみと呟くティムに、グラハムは続けて話す。

「私の名は『大地』の意味を持たせたらしい。」

「『大地』…?」

「『グラウンド』だ。そこから『グラハム』と。」

「ふーん…でも、父さんは空を飛んだよね?」

「それでも、大地は大事なものだと。そう、両親に教わった
…私の両親、つまりはお前にとっては祖父母になるな。」

「確か…昔父さんが言ってたよね?航空機事故でなくなったって。」

「そうだ。私の父は航空機のパイロットだった。
だからこそ、空を飛ぶものだからこそ
大地の重要さを感じていたと言っていた。
それを、我が子にも忘れる事の無い様にと。」

「グラハム、と名付けたと。」

ビリーが感慨深げに言うと
グラハムは頷いて続きを話しだした。

「どれだけ空を飛ぼうとも、
人は大地の恩恵を持っていかされる。
それを忘れてはいけない。
大地があるから、空は青く澄み渡っている。
飛び立つ空を見上げる事は、
着地する大地もいずれ見る事になると。
だからこそ、足下の大地をおろそかにする事なかれと。」

「…大地を疎かにするなかれ…」

「そうだ。ティム。お前には天空の名前を付けた。
…お前が決めたなら、尚の事。
空を駆ける軍人になれ。」

「…父さん…」

明かりを見いだした様な笑顔を父親に向け、
父親を見つめた。

「空は広い。自分の存在なんてちっぽけなものだと感じるだろう。
決めたからには負けるな。空の様に物事を広く見ろ。ティム。」

「うん!」

「軍に入るにはまずそこからはじめようか。
『うん』じゃなくて『はい』だ。」

「…はい!」

グラハムの笑みにティムはそれ以上の笑顔で返事をした。

_____________________________________





1年半後の2336年。

士官学校入学後、初めての夏期休暇を貰い、
久しぶりに帰省したティムは
カリフォルニア基地にいた。

モニター画面が赤く染まる。
轟音とともに猛烈な振動がやってくる。
ティムの叫びが響く。

Landing failure(着地失敗)

「あーっ!!チクショー!!!」

モニター画面いっぱいにその言葉が示されたのは何度目になろうか。
ティムは悔しさのあまり叫んでいた。
未だに着陸が上手くいかないのが悔しくてたまらないティムは
グラハムとビリーに頼み込んで
基地のシミュレーターをこっそり借りてトレーニングをしている。

「ティム、お前…ヘタクソ。」

グラハムが呆れた声を上げる。
息子はそれでもへこたれた様子はなく、
ギッとモニターを睨みつけた。

「もう1回!!」

「もういい加減にしておけ。私も腹が減った。帰るぞ。」

「もう1回させて下さい!」

ティムの叫びがシミュレーターの管制室に響く。

「懲りないねぇ。彼。」

「全く…頑固で敵わん。」

「親子だね。誰かさんの若い頃にそっくりだ。」

「…どういう…」

そこまで言ったところで、再びシミュレーターから
『Landing failure(着地失敗)』の表示が出る。

「ティム!お前どうやったらフラッグを胴体着陸させれるんだ!?
もう今日はここまでだ!」

グラハムの怒号に横からビリーが茶々を入れる。

「ほーら、君も最初の頃やったじゃないか。胴体着陸。」

「………なぜ、それを知っている…」

「さてね。」

ビリーはモニターから聞こえる「もう1回!」の叫び声を聞きながら
コーヒーを口にし、傍観を決め込んで
聞こえない様に独り言を呟いた。


「…似た者親子とは、この2人を言うんだろうね。」

_____________________________________
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COMMENT
何て素敵な親子なんだろう。
by マーガレット 2009.06.23 Tue 23:27 EDIT

早速、拝見させてもらいました。
色々とドキドキしたり感動したり(泣)させられっぱなしでした。
カスタムフラッグが!!!とびっくりしてしまいましたが
相当年月が経っているですよね。ティムが自分の進む道を
決める大きな第一歩がこんな大事件だったとは!
ところどころ父親に似たティムがかわいくて仕方ないw

刹那・邂逅のお話にもこの親子登場しているんですね!
ますます目が離せなくなってきました。色々な登場人物が
出てきてるこちらの方も続きが楽しみです。
お話が大変凝っていて読み応えがありますね(*ゝω・)b

やっぱり自分で書くより読むほうがずっと楽しいなあ。

Re:何て素敵な親子なんだろう。
>マーガレットさん
こんばんは!早速読んでいただけたようで何よりです♪
楽しんでいただけましたでしょうか?(^^)
この話のグラハム父さん、実は55〜56歳なんですよね(爆)
そう考えるとなんとまぁ大人げないとは思うのですが…
それはそれ、ハムだから!と(笑)

本編にも、少しだけ登場させてますが、
実は本編で出番はあまりないのですよね。(^^;

また、暇つぶしにでも楽しんで読んでいただけると嬉しいです。ヽ(>▽<)ノ
From TOM 2009.06.24 Tue 00:34
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