20-years-after

イシスはティエリアの部屋を出てから
真っ直ぐに自分の部屋へと向かっていた。
今は、誰にも会いたくなかった。
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高軌道上にある資源衛星を模した戦艦。
ラグランジュ-3-0。
そこにソラン・イブラヒム、コードネーム：刹那・F・セイエイの娘
イシス・イブラヒムが『刹那』の候補としてやって来て約１年。
相変わらず小さなミッションとトレーニングの日々が送られていた。

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「心配って…他に何が心配なんだよ…？」

「あー！もう！そこがさ…こうー…
どういっていいのか…上手く言えないんだけど…
多分…皆…まだ実力が足りないからかもしれないんだけど」

よく喋るスェウがここまで口ごもって考えながら話すのは珍しいと
イシスが不思議に思っていると、
スェウはますます唸りながらぽつりと言った。
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時間的な問題もあり、
翌日ティエリアから渡したいものを貰うという話になったイシスは、
呼びだされると素直にティエリアの部屋へと向かった。
入り口に立ち止まると、中からドアが開いた。
あまりのタイミングに驚いたが、
ちょうどいい、とティエリアがイシスを部屋へ招き入れた。
イシスが部屋へ入ると背後でドアが閉まる。

「で、何なんだ？渡したいものって…」
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「父は…刹那・F・セイエイ…ソラン・イブラヒムは
自分の両親を殺害した。」

まっすぐ正面を見据えて話すイシスの表情は父親と同じものであった。
それを聞いたマイスター、マイスター候補の顔が
各々の反応を見せる。
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