20-years-after

「俺が…『刹那・F・セイエイ』…か。」
神妙な面持ちでその名を呟くイシスに向かって
ティエリアは安心させる様に話しかける。
「正式なコードネーム引き継ぎはラグランジュへ戻ってからする。」
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ティエリア・アーデがイシス・イブラヒム、
刹那・F・セイエイの娘に連れてこられたのは
海を望む小高い丘の上だった。

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…話しづらい事を言わせてしまったかもしれない。
イシスはすこし胸を痛めながら、再びティエリアを部屋へ入れた。

「刹那・F・セイエイに会わせる前に聞いておきたい事があるんだけど。」

イシスがうつむきながら話しかけてきた。
表情がよく見えないがなにか迷いがある様にも見受けられる。

「僕の答えられる範囲なら。これでも守秘義務があるからね。」
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「こ…れ…」
写真を眺めながら子供…
イシス・イブラヒムーソラン・イブラヒムの子供は
不思議そうに声を上げた。
「こっちは確かに父さんだ。あはは！！しかも若い！」
ここに来てはじめてこの子の笑顔を見た気がした。
刹那よりももっと屈託の無い感じの笑顔だ。
「で…この隣は…もしかして…ティエリアだったっけ。アンタなの？」


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「…ここで話すのもなんだから。中へ。」
目の前の子供は鍵を開けてティエリアを中へ招き入れた。

子供に続いて中へ入る。
中は簡素で、必要以上のものを置かないあたり
彼らしさが伺えた。

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