after-20years
ガンダム00の捏造2次創作ブログ。
ネタが出てきたので形にするため走り書きメモブログになります。


さてはて、2次創作なんてはじめてですし
小説なんて書いた事ないTOMが挑戦しながら
それでも想像で膨らませた00熱をなんとかせねば!と
書き連ねて行くブログです。

以下の項目が許せる方のみつたない文章ですがお読みいただけると嬉しく思います。

・本編(セカンドシーズン)から20年後の話です。
・各キャラクターの子供が出てきます。
・各キャラクターも20年歳月が経ってるので全員それなりの年をとっています。(爆)
・刹那が故人です。
・主人公は刹那の 娘 です。


週末夜にチャットを開催します。
おおよそ時間は23:00頃からになります。
こちらからどうぞ!!


20-years-after 刹那・邂逅。-03 忍者ブログ

20-years-after

「 刹那・邂逅。-03 」

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2025.05.14 Wednesday 13:35

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刹那・邂逅。-03

2009.04.16 Thursday 17:55


「…そうだね。
…どこから話せばいいのかな?」

リビングには、穏やかな空気が流れていた。

____________________________________

「俺は…父さんがソレスタルビーイングにいた時期をよく知らない。
そこにいた事を知らされたのは…
父が病院のベッドから出られなくなった時だった。
多分…知れば俺に何か起こるかもしれないからだった。」

「…病院…?」
「はい。父は病死でした。」
「…彼が…」
「意外ですか?」
「え?」
「他の…父と関わって来た人物も…
病死だと告げると…同じ反応をしたんです。」

苦笑まじりにイシスが告げると
沙慈はばつの悪そうな顔をした。
それを見たイシスは苦笑した。

「まさか、ガンダムを駆って
世界の変革を目指していた男が
自身の病魔に倒れるなんて
思っても見なかったでしょうから。」

「でも…それでも…彼は
君を…子供を…抱く事が出来た。
それは喜ぶべき事だよね。」

「…本当に…そうでしょうか…?」
「どうして?」

イシスは、視線を下げながら疑問を吐き出した。

「俺が生まれた事で、父は愛する人を失いました。
俺は…生まれた時から…父に負担をかけて生きていました。
父は、それでもなお…自分の事より…周りに…」
「刹那らしいね。」

沙慈の言葉にイシスは顔を上げ、彼を見遣った。
沙慈は懐かしむような笑顔をイシスに向けていた。

「…沙慈…さん?」
「沙慈でいいよ。
彼は…僕が知っている彼は…
本当に、自分を顧みない奴だった。
どうしてって…ずっと思ってたよ。

彼を、殴った事もあった。
銃口を向けた事もあった。

それでも…刹那は…受け止めようとしていた。全てを。
今だからこそ…判る事だけど。
あんな懐の深い奴は初めてだった。
だから…だからこそ…当時の僕は彼がよく判らなかった。
あまり、感情を表に出さなかったからかもしれないけどね。」

「あまり…笑わなかった…?」
「?…うん。そうだね…」
「俺が知っている父は…よく笑っていた。
…なぜかな?
そこが…判らないんだ…」

イシスは、ソレスタルビーイングにいた頃の刹那を知る人間と
自分が知っている父に感じている違いを判らずにいた。
それを、沙慈に投げかけてみた。

「きっと…それは、至極簡単な事だろうね。」
「…簡単…?」

よく判らない、と顔を上げたイシスに
沙慈は優しく微笑んだ。

「君のお母さんと出会って
そして、君が生まれたからだよ。

…イシス。」

「人を愛し、子供が生まれ…
家族を持つ。
一人の人間を大きく変えるのに
これ以上の要素はないわ。
彼はきっと…愛する女性と
あなたの為に、笑顔をつかみ取ったのね。」

「かあさん…あの…僕…」
「刹那。いい機会だわ。
あなたにも聞いて欲しいの。
もう一人の『刹那』が生きていた事を。
…あなたの名前に、誇りを持って欲しいの。」

「そうだね…僕が彼に初めて逢ったのは…
このマンション、隣同士だったからなんだけど。
まだ、僕が学生だった頃だから…16、7位かな。
裕福な留学生が経済特区で勉強をしている。
そんなところだと思っていた。

…それが…ソレスタルビーイングの武力介入が激しくなると同時に
彼は忽然と姿を消していた。
気付けば、隣の部屋に明かりがつく事が無くなっていた。」
「そして…私は、ガンダムの1機によって
親戚と、左手を失った。
…この手は、義手なの。」

ルイスは、感覚のない左手に嵌る指輪を撫でていた。

「…ガンダムの…?」
「そう。」
「ちょうど、僕とルイスが付き合っていた…
僕が、指輪を渡そうと決意していた時だ。
指輪を渡したのに…それをはめる左手を彼女は失っていた。
僕は…ガンダムを憎んだ。
ガンダムなんて潰れればいいとさえ、思った。」

イシスは沙慈を見つめていた。
沙慈は続ける。

「僕の姉も…イオリア・シュヘンベルグを取材していて、
そのせいで、命を落とした。」
「それで…あなたは…父に銃口を向けたんですね?」

イシスは真っ直ぐに沙慈を見据えて聞いた。

「…引き金は引けなかったけどね。」
沙慈は自嘲する様に笑みを浮かべた。

「それで…いいんです。
いいんだと思います。」

「君のお父さんが、いなくなってから
僕は、宇宙技師として働いた。
その間、彼は世界を廻っていたと言っていた。
彼が失った仲間の遺した世界を。」

「…ロックオン…」

「僕が知っているロックオン・ストラトスは
刹那が『ライル』と呼んでいた人だ。
もう一人、ロックオンがいたと聞いた。」

「ええ。双子の兄がいたと。
ニール・ディランディ。
父は、彼に教わったものは計り知れないと…
そう、言っていました。」

「刹那は…僕とルイスの事を気遣ってくれていた。
ルイスが、アロウズにいた事を知ると、
会わせようとしてくれた。
結果として…ルイスを助けてくれた。
自分の危険は…顧みずに。」

「…戦う人というのは
自分を顧みないものですよ。
そうでなければ…
刃を振るえない。トリガーも引けない。」

「…君も…戦っているんだね。」
「はい。…父と同じ道を。
『刹那・F・セイエイ』を…名乗るつもりです。」

「…戦うって…怖くないの?
いろんなものを壊して…命を奪って…
怖くないの…?」

不安に駆られた刹那はイシスに疑問を投げつけた。

「…壊すだけが戦いじゃないよ。
その先に待っているものをつかみ取らなければ
戦っている意味がないんだ。

…人は何故戦うんだと思う?」

逆に質問を返された刹那は
思ってもいなかった事に驚いた。

「…え…?」
「国家間の利害不一致、宗教上の相違、
資源、思想、国土…奪い合い…
そのどれもが『相互理解の不足』だと…
…戦っていて…感じている。」

イシスは刹那を真っ直ぐ見つめながら続けた。

「だから…俺は…父と同じソレスタルビーイングに入って
ガンダムを駆る。…そのうち…報道にも見られるかもしれない。
どう感じるかは…人それぞれだ。
でも…それでも…俺は父を追いかけたい。
あの人の目指したものを…探したい。」

「僕たちが…この子に『刹那』と名付けた。
その理由を…聞いてくれるかい?」

沙慈の言葉にイシスは黙っている事で肯定を示した。

「…刹那は…戦争しか知らない人だった。
物心ついた時から…クルジスとアザディスタンの紛争で…
小さな身体に大きなマシンガンを構えて…走っていたと。
彼から聞いて…。
そんな彼の名前を…この子につけて…
せめて…彼の分まで…
この子に平和な人生と笑顔を…
戦う事に自分の考えを…。そう願って。」

「刹那…。

時間の最小単位。
はかない時間。
そんな小さな時間が、大きな時間の流れに繋がる。
だから…その小さな時間をも大事にする様に。

そう言う意味合いだって聞いてる。
…だから…刹那。
それを忘れないでほしい。」

「…ありがとう…イシス…僕…忘れないよ。」

「そうだ。イシスに…渡したいものがあるの。」
「…俺に…?」
「来てくれる?」

悪戯っぽく笑ったルイスに意図が掴めないまま
イシスはついていった。

__________________________________

イシスが連れられたのは、ドレッサーのある寝室だった。
ルイスは、自分のドレッサーの引き出しを探ると、
一対のピアスを差し出した。

「これを…あなたに。」
「…ピアス…?」
「女性のカンはバカにしちゃあいけないものよ。」

少し悪戯っぽく微笑む彼女は秘密ごとを教えるかの様に話した。

「あなたが、どんなにごまかしていても、
女性の身体特有のラインは出て来ているわ。
そう、腰の辺りや…
その中性的なアルトの声でどれだけごまかしていてもね。」
「…ミス・ルイス…」
「ルイスでいいわ」
「…ありがとう…」

「…イシスは…好きな人はいる?」

イシスは突然の質問に逡巡した後、首を横に振った。
その様子にルイスはやんわりと微笑み、
イシスの手にピアスを握らせながら、伝える。

「あなたが、これから本当に愛する人が出来たら、
女性として、これをつけて。
…自分を大事にする事が、
周りを幸せにする事があるという事、
…きっと…あなたは知っている。
でもね、知っているだけでは意味がないの。
自分で、理解して?」

「…はい…ありがとう…ルイス…」

プトレマイオスで会った女性や、
子供の頃に世話になったどの女性よりも
柔らかな、そして暖かな手で
自分の手を握ってもらえているような気がしたイシスは
目の前にいる『母』の強さをまざまざと感じ取っていた。

__________________________________

はい、ルイスさんちょっと活躍ですwww
イシスも、少し成長させています。
もうすぐ、世界基準的な成人年齢の20歳に達します。
彼女が選ばなければいけない選択肢がまだまだあります。
この章ではそれを周りの人間関係とともに書いていきたいと思っています。
これはまだまだプロローグにすぎません。
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