______________________________
「私の知る彼は…今日見た少年ではない。」
その一言に、ティムは父の顔を見た。
ティムが驚く程、その表情は穏やかだった。
「とうさんは…悔しくないの?
だって…自分の身体が戦闘できない身体になって…
母さんだって…ソレスタルビーイングの潜入活動の騒動で…」
「勿論、悔しくない訳がない。
只…今あの少年に銃口を向け、
彼の命だけを奪ったところで…
それだけでは何の解決にもならないんだ。
もっと大きな世界の流れがある。
お前は、もっとその大きな世界を知らなければならないよ。」
ティムが悔しさに抑えられない涙を流すのを静かに見つめ、
グラハムは諭す様に12歳の我が子に自分の意志を伝える。
「あの少年を責めて、銃を撃って命を奪っても
大きな世界の流れは変わらない。
大きな流れを変えるには大きな力が必要となる。
彼はそれを知っている。
…今のお前には出来ない事を彼はやっている。」
「なんで…それが判るの…?」
「…いい瞳をしていた…」
ティムの質問に父親は懐かしむような目を
先程『刹那』が立ち去った玄関に向けて答えた。

_________________________________
その晩、ティムはなかなか寝付けなかった。
おかげで翌朝寝不足の顔を父親に向けるはめになった。
ただ、眠りにつく前に自分なりの考えをつけた事を
父親に聞いて欲しかったティムはいつも通りに
父親と朝食を共にしていた。
「…ねぇ、とうさん…」
「ん?なんだ?」
「僕…とうさんと同じ、軍人になりたい。」
突然の宣言とも取れる発言に
グラハムは口にしていたトーストを飲み込んでむせ返っていた。
「…………なんだいきなり………?」
「夕べ、考えてたんだ。
父さんや、『刹那』の見ている大きな流れとか
大きな力とか…世界とか…
父さんは、それを知っているんでしょう?」
「うーん…そうだな。」
グラハムが肯定すると
ティムは決めたといわんばかりに
真っ直ぐに父親を見つめて言った。
「じゃあ、軍人になって、世界を見て
大きな流れと大きな力を見たい。
…知りたいんだ!
父さんと同じ場所で!」
「それじゃあ無理だな」
「えーっ!!なんでだよ!?」
息子の言葉に喜びを感じながらも
苦笑したグラハムは息子に否定の言葉を与える。
ティムはそれこそ驚いて父親に噛み付いた。
「それじゃあ順序が逆だ。
お前はもっと学んで、世界を知ってから
…それから自分を世界のどの大きな流れを変える
大きな力を使うか…考えるべきだ。
軍人になる事だけが大きな力を使えるという事じゃあない。
…もっと『世界』を学べ。」
今度こそ、グラハムは最愛の息子に満足げな微笑みを見せた。
_____________________________________
ティム・エーカーがユニオン・フラッグ部隊に所属する10年前の話である。
今回も、01に続いて素敵なイラストを銀サチさんから頂きました!!ありがとうございます!!!(>▽<)
そんなグラハム愛!の銀サチさんのブログはこちら。
http://silver00graham.blog64.fc2.com/PR
もう素敵すぎて( ̄ii ̄)はなぢどころの騒ぎじゃない
あああああああああ
予想してなかったこんな2人の会話劇!!!!!!!!!!
この子は父を見て 真っ直ぐ育ってますねぇ゜。゜(つД≦。)゜。゜
父さんが大好きだっ!!っていうの伝わってきます。
それもこれも ハムが愛をたっぷり与えているからでしょうね♪
あああああああああ
どうしよう どうしよう 今日寝れないかもwwwwwwwwwwwwwwww
はっ…はなぢ…!
ティッシュティッシュ!!箱ごとお渡ししますから!(笑)
予想してませんでしたか?
ハムがとことんお父さんしてたらいいかなと思いまして。(^^)v
お父さんを誇りに思えるのは
お母さんがキチンとお父さんの仕事を
息子に胸はって教えられるからなんですよ。
この子は両親の育て方がよかったと感じて頂ければ嬉しいです。
えへえへwww寝れないですか?(笑)
こんばんは。はじめまして。マーガレットと申します。
私の妄想(笑)SSブログへの訪問および、コメント
ありがとうございました。
「影響する血筋」、読ませて頂きました。
前半は凄くドキドキしました。死闘繰り返し対峙してきた
2人の子息がこうしてまた邂逅するとは。何という運命なんでしょう。
こんなドラマ大好きです。
女の子なのにシーンの各所から「刹那」をいっぱい感じました。
ああ、刹那の子供なんだなあと思ったらジーンとしてしまいました(泣)
イシスとの衝撃の出会いからグラハムに自分の気持ちを話し、
「軍人になりたい」と考えるティム。何て素敵な子なんでしょう。
真正面から立ち向かって行きたい意思が出ていてとても素晴らしいです。
そして、それを諭すグラハムが何とも父親らしくて素敵で感動しました(泣)
真っ直ぐなティムを見ていたら若い頃の自分と重なったりするの
かもしれませんね。ティムのこの先を見てみたくなりました。
私も銀サチ様から命名して頂いた、ティムでSS書いたのですが
TOM様の書くティムと私の書くティムは全く違う方向を行きそうですね。
こういうところも二次創作の面白さなのかもしれません。
感動したので私のブログにリンク貼ってもよろしいでしょうか?
OKが頂けましたら、私の感想ブログ、妄想(笑)SSブログの
両方に貼らせて頂きます。
これからもちょくちょく読みにくると思いますのでよろしくお願いします。
長文失礼しました。
それでは☆
>マーガレットさん
初めまして!
こちらこそご訪問とコメント、ありがとうございます。
こうやって感想を頂けるのは大変嬉しく、また励みになります。
女の子なのに『刹那』を感じて頂けたというところで
意識して書いていた甲斐があるなと思います。
性別、血縁関係なく、親子は親子なんだよ!と言うところを
はっきり書けていればと思っています。
『軍人になりたい』と言うティムですが
やはりまだまだ12歳の子供だというところは目立たせたかったので
ツッコミどころのあるキャラクターにしたかったんですね。
で、これから父親の背中を見て、
成長とともに感じるところがあって
それでも父と同じ軍人への道に入るまでに
男の子なりにいろいろと葛藤があるのではないかと思います。
私自身、息子のいる母親ですが
それでも父と息子のつながりというのは横で見てて楽しいものです。
そんな父と息子を見ながら、
番外編だけではなく、本編においても
ちょっとリアルめに父と息子を書いていければと思います。
ブログリンク、嬉しいです!!
こちらからも是非リンクさせて頂ければと思います。
宜しくお願いします(^^)