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西暦2312年
刹那は沙慈の乗るオーライザーと共にミッションを遂行している。
「沙慈、目標地点までは後数日かかる。休んでいるといい。」
「ああ…そうさせてもらう。」
刹那も、同時にコクピットと言う狭い空間ながら
次に起こる戦闘に向けて休息を取る事にした。
わずかな間、静かになったコクピット。
シートの奥深くに座り、静かに息を整える。
カサ…
静かなコクピットにふわりと紙が一枚浮かび上がった。
いつの間にそんなものがコクピットに入れられていたのか
誰が入れていったのか、
常に00とともにいた刹那でさえ判りかねていた。
「…手紙…?」
刹那はふわりと浮かびあがったそれを手に取った。
綺麗に折り畳まれていたそれには文字が綴られている。
それを広げてみる。
自分に当てた文章が綴られていた。
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刹那・F・セイエイ
あなたにこれを書いても、届く事がないのは知っています。
私は、今00のマイスターとしてこの機体に乗っています。
もうすぐ新しい機体がロールアウトします。
あなたが知らないガンダムがここに出来ます。
これをあなたが見たら何というのでしょうね。
私にとってあなたは世界でした。
これから私の世界はあなたから離れ、
どんどん広がって行きます。
あなたから教わった全てのものを活かし、
あなたの意志と声と、揺るぎない瞳を譲り受け、
未来を切り開いて、築き上げて行く為に
その為に私は…この世界に戦いを挑む。
あなたがそれを知ったら…どう感じるでしょう?
あなたは…彼らに会えましたか?
その時は、どうか穏やかな笑顔でいれるよう願います。
彼らと行動を共にしていた時の厳しい顔はもうやめて
私と一緒に生きていた時の笑顔を絶やさないで。
私に笑顔を教えてくれた、あなたへ。
あなたがそのマガジンに書いた人の名前は、
どうか 忘れないで。
私?私は 。
あなたの…子供です。
あなたは、新しい世界を手に入れます。
それが私だと…ここで言ってもいいですか?
母の名は…今ここでは書かない事にします。
あなたの目で、心で、しっかり掴み取って下さい。
そして…その人と
新しい世界を 築いて。
あなたから世界を譲り受けた子
より。
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「……!?……これは…?
俺に…手紙…? 誰が…?」
刹那は不思議なものを見る様に手紙を読んだ。
「世界を…築く…?俺が…?
俺の…子供…?」
「刹那!もうすぐ目標座標だよ。」
「ああ、判った」
沙慈のその言葉とともに、刹那は手紙をもとの様にたたみ
シートの下に挟んだ。
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その手紙は2度と読み返される事なく
また、刹那自身もその事を思い出す事はなかった。
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まぁ、こんな話もありかなというところで(笑)
イシスがいつかの時に亡き父親宛に綴った一枚の手紙。
00のコクピットに隠していたのが
何がどうなったのやら…と言う感じですね。
こんな不思議な事があれば面白いかなと(^^;
で、そんな些細な事でしかない状態の刹那は
そんな事すっかり忘れてたというオチ。www
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